ペルソナ設定とは
ペルソナとはラテン語で仮面の意味。マーケティング用語として使用される際は、架空のユーザー像を指します。ここでは、ペルソナ設定の目的やターゲットとの違いなどをみていきましょう。
ペルソナ設定の目的
ペルソナとは、自社の商品やサービスを購入する架空のユーザー像。商品やサービスの開発、既存商品やサービスのテコ入れ時などに設定します。1人の人物のプロフィールを具体的に設定し、そのユーザーがどんな商品やサービスを求めているか、ニーズを読み取るのが目的です。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットの違いは、ユーザー像の詳細さにあります。ターゲットは「30代の主婦」「40代の男性会社員」のように、性別や年代、属性などの大枠だけを設定したもの。一方、ペルソナはこれをもっと具体的にしたもので、ユーザーの家族構成や年収、趣味など、細かいプロフィールを作っていきます。
例えば、「30代主婦向けの化粧品」の開発をするとした場合、同じ「30代の主婦」でも、世帯年収500万円の主婦と2,000万円の主婦では、価値観やライフスタイルが異なります。
ペルソナが年収500万円なら「コスパを重視した化粧品」、年収2,000万円なら「美容成分やラグジュアリー感を重視した化粧品」を求めているなど、ニーズの違いに気づけるでしょう。さらに詳細なユーザー像を作り上げれば、よりユーザーに対するアプローチを組み立てやすくなります。
ペルソナ設定の使い方
さまざまなシーンで活用されているペルソナ。例えば、広告プロモーション、Webサイトのリニューアルを行う時などに設定されます。その他、ペルソナの悩みを解決する記事を提供するコンテンツマーケティング、TwitterとInstagramなどのSNSで商品の情報を発信するソーシャルメディアマーケティングなどでも、ペルソナを設定するケースが多いです。
ペルソナ設定のメリット
ペルソナ設定はマーケティングを有利に進められるなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、ペルソナ設定の具体的なメリットをみていきましょう。
社内でユーザー像を共有できる
「30代女性」のようなざっくりとしたターゲット像では、ユーザー像は多岐にわたり、社員によって少しずつ異なるユーザー像を頭に浮かべてしまいます。
一方ペルソナ設定では、社員同士のユーザー像のブレを防げます。詳細なプロフィールによって、社員同士で頭に浮かべるユーザー像が同じものとなるため、認識違いが減るからです。ユーザー像をしっかりと共有でき、打ち合わせなどもスムーズになるでしょう。
ユーザーの気持ちに寄り添える
ペルソナ設定をすると、ユーザー視点で物事を考えられます。ユーザーの人物像がはっきりしているので、価値観や好みなどが想像しやすくなるのです。そのため商品やサービス内容を決める際に、ユーザーの気持ちになって議論したり、意思決定したりすることが可能に。結果として、ユーザーが真に求めるものを提供できます。
ペルソナ設定の方法
プロフィールをただ埋めれば、ペルソナ設定ができるわけではありません。ここでは、マーケティングに効果的なペルソナ設定の方法を紹介します。
情報収集をする
まずは「30代主婦」など、性別や年齢、属性などの大枠のターゲット像を元に情報収集をします。ターゲットに対してインタビューやアンケートをとったり、一般に公開されている調査データを利用したりするのがおすすめ。顧客と会う機会のある営業担当から、顧客の情報を得るのも良いでしょう。
商品名やサービス名などをSNSで検索し、ユーザーの声を集めたり、Googleが提供するアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」などを利用したりするのも手です。いつ、どんな人が何のページにアクセスし、何を購入したかなど、ユーザーの行動、興味などを掴めるのでペルソナ設定に役立ちます。
上記の画像は、弊社で作成している構成書のペルソナ研究欄です。弊社では、KW選定後にそのKWがどのような言葉と組み合わせて検索されているか、検索行動から何を知りたいと思っているかを分析し、ペルソナを決めています。実際に行っているペルソナ設定の手順は以下の通りです。
1.株式会社CINC「Keywordmap」、Key Tools Limited「Keywordtool」などのツールで対策KWを選定する
2.株式会社シンクラフトの「ラッコキーワード」を使用し、対策KWの関連KWを抽出する
3.関連KWをグルーピングし、ユーザーニーズを読み取る
4.Yahoo!知恵袋やTwitterなどからユーザーの疑問を抜き出す
5.集めた情報を元に構成書のペルソナ欄を埋めていく
情報の取捨選択をする
ペルソナ設定に役立つ情報を集めたら、情報を整理しましょう。データの分類をし、取捨選択して必要な情報だけに絞ります。主観や先入観でデータが偏らないようにするのがポイントです。
ペルソナ設定の項目を埋める
情報を整理したら、ペルソナ設定をしていきます。以下の表のように項目を埋めて作成してみてください。
<項目> | <情報> |
基本情報(年齢、性別、住居地) | 33歳女性仙台在住 |
仕事(職種、役職、最終学歴) | 医療事務のパート4年制女子大卒 |
人間関係(恋人・配偶者の有無、家族構成) | 既婚小学生の子ども2人 |
ライフスタイル(起床・就寝時間、通勤・勤務時間、自炊や外食などの食事の仕方) | 6時起床・0時就寝自宅近くの総合病院に車で15分ほどかけて通勤月~金10:00~17:00勤務帰宅後、自炊にて食事をとる |
性格(価値観) | 新しいもの好き興味のあるものはすぐ購入して試したい |
趣味 | 海外ドラマお酒を飲む |
収入や貯蓄額 | 年収200万(世帯年収800万)マイホーム購入後で貯蓄300万 |
インターネットの利用(所持しているデバイス、利用時間) | PC、スマホ、タブレットを所有仕事の休憩時間や就寝前などにスマホを利用する利用時間は1日3時間くらい |
ペルソナ設定をする際の注意点
大まかなペルソナ設定の流れが分かっていても、集めたデータを上手くまとめられないと、ユーザーに寄り添えていないペルソナになってしまいます。ここでは、ペルソナ設定をする際の注意点を紹介します。
理想に偏ったペルソナ設定にしない
ペルソナが会社にとって都合の良いユーザー像にならないように注意しましょう。最初から自社の商品に興味を持っているユーザーなどにはせず、現実にいる顧客を元に設定してください。また、ペルソナの項目をただ埋めるのではなく、ペルソナの行動や好みからニーズをしっかりと読み取るのが大切です。
客観的な視点でペルソナ設定する
「こういう人いそうだね」と、確証のないペルソナ設定をしないようにしましょう。例えば、「高年収=高級志向」のように、イメージだけで設定するのは避けます。これは想像上の設定であって、実際は「品質さえ良ければ、ブランドは気にしない」など、考え方が異なるケースもあるからです。
ユーザーのニーズを見逃さないためにも、情報収集の際に手に入れた「客観的な視点を持つデータ」を上手く活用してくださいね。
ペルソナ設定は定期的に見直しをする
ペルソナは1度作成したらそれで終わりではありません。時間の経過とともにユーザー像も変化していくため、時流に合わせて、定期的にペルソナ設定の見直しをすることが大切です。
ペルソナ設定はプロに!スマートメディアのサービス「Ownd」
自社の商品やサービスの認知を高めるために、オウンドメディアを運営する企業も多いです。オウンドメディアでもペルソナ設定はとても重要。ここではペルソナ設定はもちろん、メディア運営を任せられるスマートメディアのサービス「Ownd」を紹介します。
プロによるオウンドメディア制作を任せられる
「Ownd」は、オウンドメディアの構築・運営を一気通貫で行うサービスです。立ち上げ1年で50万PV達成の実績を持つプロの編集部が記事作成を担当。ペルソナ設定ではさまざまなツールを使用し、客観性を取り入れながらユーザー像を作り上げています。
質の高いコンテンツでファンを獲得できる
弊社のメディア運営ではSEOとSNSで集客し、実際にユーザーに読まれる記事を作成。良質なコンテンツを提供し、ファン醸成をサポートします。
賢くオシャレになれるブランドマガジン「KOMERU」、老舗メガネ専門店・メガネの愛眼の「Aigan STYLE」など、さまざまなメディア立ち上げの実績があるので、安心してメディア運営を任せられるでしょう。
ペルソナ設定をマーケティングに活かそう
ペルソナ設定はマーケティングにおいてとても重要。ユーザーの気持ちに寄り添えるのでニーズを分析しやすくなり、それに合わせた商品やサービスを提供できるようになります。こちらで紹介したペルソナ設定の方法を、上手に活用してみてくださいね。