この記事を書いたのは…
小針亜葵子
PR/オウンドメディアプロデューサー編集プロダクションやアパレルブランド勤務を経てウェブメディア業界へ。月間500万PVの男性メディア編集長や有名ガールズファッションイベント公式メディアの事業責任者などを経て、現在はPR/コーポレートブランディングを担当。2016年より現在まで、メディア運営のノウハウを生かし、男性グルーミングブランドのオウンドメディアプロデューサーも担当している。
監修の意味と、他の言葉との違い
編集や監督、プロデュースなど、監修と似た言葉は豊富です。まずはじめに、監修の意味と似た言葉との意味の違いをご紹介します。
監修とは専門知識のある人間が監督すること
映像や記事、書籍などを始めとする著作物の内容を確認・監督することを「監修」といいます。また、監修する人のことは「監修者」と表します。監修者は、その道の資格を保有しているなど、専門的な知識が優れた人のことです。
監修者は、実際に著作物を作るわけではありません。
監修者は、著作物の内容に関するアドバイスを行う、または内容に間違いがないか確認する役割を担っています。映像や記事、書籍などに監修者の名前が記載されることで「これは信頼性の高いものである」とアピールできるのが、監修された著作物の魅力です。
監修の例文
・教授は、国語辞典を監修することになった。
・このレシピは、有名な料理研究家の監修を受けている
「監督」との違い
「監督」は制作に関わり、演出など指示することを指す言葉です。監修は専門分野の確認を行い、修正やアドバイスをするのに対し、監督はそれも含めて全体の指揮をとる点に違いがあります。
「編集」との違い
「編集」とは、資料や素材の構成、配置、調整などの作業をして、記事や書籍、映画などにまとめることをいいます。そして、コンテンツの企画や構成、内容を制作者と一緒に考える人が「編集者」です。制作者との距離感は、前述した監修者よりも編集者の方が近いといえます。
「プロデュース」との違い
日本におけるプロデュースは、テレビ番組や音楽などの作品やイベントを、企画・制作するクリエイティブな作業のことを指します。それに対し、英語の「produce」本来の意味は、農産物などを生産する、もしくは工業製品などを製造することです。
私達が普段目にしているプロデュースという言葉は英語本来の意味とは異なり、実は和製英語に該当するのです。また、プロデュースは企画から完成までを進める立ち位置のため、監修よりも編集に近い立場といえます。
監修の類語・言い換えは?
監修の類語は、複数あります。
<意義系>
…見て指導する
<類語・類義語・言い換え・同義語>
…管する、統監、督する、総理、締め括る、監督、締めくくる、取り締まる、取締まる、宰領、締括る、管理、マネージ、しめ括る
オウンドメディアにおける監修記事の必要性と種類
企業の認知拡大に役立つオウンドメディアにおいて、サイトの向上に監修記事は欠かせない存在です。ここでは、オウンドメディアにおける監修記事の必要性と、記事の種類を紹介します。
専門家が記事を監修することで信頼度が高まる
企業が運営するオウンドメディアの記事に誤りがあると、内容を参考にした読者が何らかの被害を受けるリスクがあります。それにより、企業の責任を追及される恐れもあるため、情報の誤りは防がなければいけません。
専門的な内容を扱う時は、それに関する専門知識を持つ監修者が記事を監修することで、記事の誤りを回避できます。さらに、ユーザーの記事に対する信頼性もアップします。
また、記事が検索上位に表示されるためには、Googleなどの検索エンジンからの評価が高い方が有利とされています。Googleは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)という3つの評価基準を設け、良質なコンテンツを選定しています。ちなみに、これら3つの評価基準はそれぞれの頭文字から「E-A-T」と表現されます。
※なお、2022年12月15日にGoogleの検索品質評価ガイドラインが更新され、「E-A-T」に新たな指標「E(経験)」が加えられました。現在は、この新しい評価基準「E-E-A-T」をふまえ、コンテンツの質が判断されています。
専門家が監修している記事は「E-A-T」(E-E-A-T)で検索エンジンに高く評価される傾向にあるため、オウンドメディアでは監修記事を扱った方が、通常コンテンツよりも評価を集めやすくなります。
YMYL領域は専門家の監修が必須
YMYLとはGoogleが公表した検索品質評価のガイドライン「Your Money or Your Life」の略語です。YMYLの直訳は「あなたのお金と人生」であり、「人々の将来の幸福、健康、経済的安定、安全に潜在的に影響を与えるテーマ」という意味を持ちます。
お金にまつわることや医療、政治、行政など、YMYLに関する領域は人々に大きな影響を与えます。そのため、Googleは厳格な評価基準を定めています。
医療や健康に関する分野など、YMYL領域におけるSEO対策はとても難しいといわれています。このジャンルで上位表示されるためには、ユーザーにとって有益で良質なコンテンツであることに加え、専門家による監修や執筆、その分野の専門サイトや行政の公式サイトであることなど、さまざまな条件をクリアする必要があります。
監修なしでコンテンツ発信をするリスクはある?
現在の検索エンジンの評価基準において、監修は必須事項ではありません。しかし、YMYLの領域に関しては、監修なくして上位表示がされる可能性は極めて低くなっています。したがって、YMYL領域に関しては、E-E-A-Tが必須条件となります。
これを満たさずに信憑性の低い情報を発信した結果、実施に被害を被る人が出てしまった場合は、その責任を取らなければならない可能性があります。また、同時に企業の信頼は一気になくなってしまうでしょう。
私たちの暮らしや健康に直結する医療や健康・お金にまつわる情報は、責任を持って慎重に取り扱う必要があります。
WEBコンテンツの監修記事事例
医師による監修記事
医療系を扱う記事の場合、医師が執筆すれば記事に対する信憑性が保てます。とはいえ、医師は多忙であり、執筆するのは現実的に困難です。そのため、ライターが執筆をして、医師が監修し内容をチェックする「医師監修記事」を作成します。記事内に医師の名前やプロフィールがあることで、読者の安心感や「E-A-T」の評価がアップします。
ファイナンシャルプランナーによる監修記事
ファイナンシャルプランナーとは、保険や証券、不動産といった金融分野におけるエキスパートであり、「FP」と表されます。お金に関することに興味を持つ人は多く、ファイナンシャルプランナーによって信頼度の高い記事を制作することで、記事の評価が高まります。
金融関係や保険など、専門性の高い分野で記事制作をする場合は、ファイナンシャルプランナーなど専門家による監修をつけるようにしましょう。
専門分野の第一人者による監修(美容師・スタイリスト・ヘアメイクアップアーティストなど)
ファッション系のウェブサイトやアパレルブランドが展開するコンテンツにおいて、スタイリストやヘアメイク、美容師といった専門知識がありつつ最新のトレンドをキャッチしているプロの監修は人気コンテンツになる可能性が高いです。
資格を有しているということはもちろん大切ですが、その分野における第一人者であったり実際に活躍している人であれば、監修の効果が得られる可能性が高いです。
自社でコーディネートやトレンド予測、メイクアップについての記事がある場合は、積極的に利用しましょう。
管理栄養士による監修記事
管理栄養士であれば、
・栄養や健康に関する内容
・旬の野菜や食材の活用方法
・健康に配慮したレシピ
・離乳食について
・幼児食やこどもにおすすめの献立
・企業オリジナルレシピの開発
・栄養価計算
など、レシピ開発を依頼したり、食にまつわるさまざまな監修ができます。
管理栄養士が監修することで、栄養についての知識はもちろん、専門的な知識を活かしたレシピへの信頼度や興味関心が高まります。特に、子育て中の親や療養中の家族を持つ人などがターゲットのウェブサイトや企業は、安心感と信頼のある管理栄養士の監修は効果的といえます。
アロマの有資格者
アロマの有資格者は、
・精油の効果効能
・アロマテラピーに関する内容
・精油を使ったアイテムづくりのレシピ
・精油のブレンド方法など
などの監修が可能です。
アロマテラピー検定1級保持のWebディレクターによる監修のプロフィール例
他の有資格者による監修記事
有資格者による監修は、記事の信頼度だけでなくオリジナリティもアップします。監修記事の種類は多岐にわたるため他にもさまざまなものがあります。
自社のコンテンツの信頼度や説得力、安心感を与えてより魅力的なものにするために、適した有資格者の監修を実施し、検索上位表示されるコンテンツ作りをしましょう。
・フードコーディネーター
・カラーコーディネーター
・インテリアコーディネーター
・色彩検定 など
監修者の見つけ方
1.ブログやSNSで情報を発信している人を探す
TwitterやInstagramなどのSNS、またはブログで自身の専門分野に関する情報を発信している人を探します。該当者にはDMなどで連絡をし、監修の相談・依頼をしてみましょう。この際、既に監修の経験がある人の方が引き受けてもらいやすい傾向にあります。
2.本や雑誌・新聞などで記名記事を書いている人に連絡する
作成したい記事のテーマと一致する内容で記名記事を書いている人を探して連絡をします。例えば、本の通販サイトや各種メディアで著者名を探すところから始めてみましょう。次に、名前で検索して連絡先を調べます。そして実際にメールや電話などで連絡をし、記事の監修を依頼できないか相談しましょう。
3.クラウドソーシングやキャスティング会社を使って探す
各クラウドソーシングでは、各種資格を持った人が監修記事の仕事を受けつけていることがあります。金額も提示されている上に、その人自身が仕事を望んでいるため、監修の依頼はスムーズに進むでしょう。
その他、キャスティング会社に相談する方法もあります。キャスティング会社とは、求められた内容に適した人物(=キャスト)の手配や契約の交渉など、一連の業務を専門的に扱う会社。監修記事の内容に適した人物を手配してもらえますが、その分マージンがかかります。
監修者情報は記事に掲載すること
監修してもらった記事には、事前に以下のような監修者の情報をもらっておきましょう。
・名前
・プロフィール写真(顔がわかるもの)
・経歴
・取得資格
・現在の所属先と職務内容の説明
・書籍、論文、受賞履歴、記事
タイトルに【〇〇監修】とつけたり、ディスクリプションに監修について明記しておくと、ユーザーのクリック促進になりますので、ぜひ実施しましょう。
オウンドメディア運営&監修記事の作成を任せる方法も
スマートメディアでは、企業のオウンドメディアをサイト構築〜メディア運営まで一気通貫でサポートしています。編集のプロによるコンテンツ策定や制作で伝えたいことを独自の切り口で発信できるほか、テーマに合わせた監修者のキャステイングも可能です。
SEO記事はもちろんのこと、専門家への取材やモデルを起用し、作成する企画記事や監修記事も対応可能です。ご興味がある方は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。
監修とは信頼の証!オウンドメディアで監修記事を手がけよう
自社のオウンドメディアをより良いものにするためにも、SNSやキャスティング会社などをうまく活用して、適した監修者を見つけましょう。信ぴょう性が高く、オリジナリティ溢れる監修記事を手がけ、オウンドメディアから良質なコンテンツを発信しましょう。