この記事を書いたのは…
小針亜葵子
PR/オウンドメディアプロデューサー編集プロダクションやアパレルブランド勤務を経てウェブメディア業界へ。月間500万PVの男性メディア編集長や有名ガールズファッションイベント公式メディアの事業責任者などを経て、現在はPR/コーポレートブランディングを担当。2016年より現在まで、メディア運営のノウハウを生かし、男性グルーミングブランドのオウンドメディアプロデューサーも担当している。
CMSとは
CMSとは「Contents Management System」の略称で、Webサイトを作成・管理するシステムのことです。日本語では「コンテンツ管理システム」と呼ばれ、専門知識なしでWEBサイトの制作や管理・更新ができるシステムの総称です。
従来、WEBサイトの構築にはHTMLやCSSのコーディングなどの専門的なスキルが必要でした。しかし、CMSを使えば、Wordのような使用イメージで管理画面から画像やテキストを入力し、簡単にWEBサイトを構築することができます。
CMSの仕組みとは?
CMSを導入することで、ウェブサイトに関する専門知識がない人でも簡単にWebサイトを作ることができます。ここではCMSの仕組みをCMS以外のサイトと比較でご紹介します。
比較対象 | CMS | CMS以外のサイト |
---|---|---|
ページ構成 | ・画像やテキスト、テンプレートなどコンテンツ作成に必要なデータを個別に保存し一元管理 ・公開ページと管理ページそれぞれにアクセスして閲覧や編集作業を行う
|
1ページずつの完成したWebページのデータを作成 そのファイルを直接更新
|
主なファイルやプログラム | PHP、データベースなど | HTMLやCSSなどのマークアップ言語、JavaScript、PFPなどのプログラミング言語 |
特長、注意点 |
・デザインや機能の更新頻度が多いサイトにおすすめ
・わかりやすい構造で担当者が直感的に作業が可能
|
専門知識のある担当者が対応
|
難易度 | 易 | 難 |
更新方法 | ブラウザで専用の管理画面にアクセスして実施 | 作業者がHTMLなどを修正し、そのあと専用ソフト(FTPなど)でサーバーへアップロード |
サイト運営(公開・編集・作業) | サイト運営者自身でほぼ可能 | ・スキルのある社内担当者や外部の専門の人 |
CMSの基本機能
ページの作成や編集
CMSは、担当者がテキストや画像、動画などの要素を入れながら新規ページを作成し、サイトに記事を公開することが可能です。
具体的には、見出しや小見出し、太字や色文字など様々な機能を直感的に操作できたり、好きな箇所に画像を挿入することも容易です。また、リンクはテキストリンクやボタンリンクなど形式を選択可能で、ブログのように自由に記事を書けることも、幅広い層に支持されている理由です。
サイト運営管理
CMSはサイト運営な機能が多く備わっています。
例)
・管理画面
・ページの公開や非公開、削除など
・公開予約設定
・サイト権限付与(管理者/編集者/ライターなど)
・サイトアクセス解析 など
機能はカスタマイズが可能なので、カテゴリの追加やECページや会員機能、問い合わせページなど自分たちの目的に応じて追加することが可能です。
もともと機能としてついているCMSであれば担当者レベルで対応が可能です。基本機能にないものでも、カスタマイズ可能なことが多いので、CMSを取り扱っている制作会社にお問合せしてしてみましょう。
CMS導入のメリット
CMSを導入することで、専門知識がなくても手軽にWebサイトを作成・運営できます。ここではCMS導入のメリットをご紹介します。
<CMS導入のメリット>
・専門知識なしでWEBサイト構築ができる
・ネットワーク上で更新するので端末を選ばない
・メンバーを限定して権限付与が可能
・分業化できる
・デザインのカスタマイズがしやすい
・テンプレートでサイト全体の統一感を演出
・導入や運用のコストが安い
・マルチデバイスに対応しやすい
・SEOに最適化したサイトが作れる
専門知識なしでWEBサイト構築ができる
CMS導入の一番のメリットは、Webブラウザ上で直接テキスト入力や画像をアップロードして、簡単にサイトの構築や更新ができることです。従来のサイトに多かったHTMLやCSSといった専門知識が不要なので、初めてWebサイトを任された人や知識がない人でも、比較的容易にサイト管理・運営ができます。
ネットワーク上で更新するので端末を選ばない
サイトに関するデータは、サーバーで一元管理します。これをクラウド型と呼び、インターネットにつなげばスマホやタブレット、PCなど端末を問わずにブラウザから編集できるのもメリットの一つです。
メンバーを限定して権限付与が可能
CMSには、作業するメンバー毎に詳細に権限を付与できる機能があり、更新履歴を取得する機能があるものもあります。誰でも扱いやすい反面、どんな人でも使えてしまうと公開ミスなど不測の事態も起きやすくなります。そのため、細かな権限付与を行うことができ、ミスを防げる仕組みになっています。
分業化できる
CMSはWebの専門知識がなくてもサイトを作成・更新がきるため、複数のスタッフで運用を分業することができます。それぞれの担当者が直接ページを作成できるため、一人一人の業務の負担が減ることにつながります。
サイト運営をしたくてもリソースがないという悩みを抱える企業でも、CMSをうまく活用すれば部署・メンバー間で分業化しスムーズなサイト運営ができるのです。
デザインのカスタマイズがしやすい
Webサイトを運用していると、サイトの雰囲気を変えたい、デザインを変えたい・更新したい、修正したいなどの希望が出てくることが多いと思います。CMSではテンプレートを変更することで全体に反映できるため、HTMLなどに比べてデザインの変更が容易です。
テンプレートでサイト全体の統一感を演出
CMSでは、Webサイト構築にはテンプレートを使用するため、サイト全体に統一感を出すことができます。自分たちが届けたいターゲットに対して統一感のある、ユーザーが見やすいサイトを制作することができます。
導入や運用のコストが安い
導入や運用のコストをかけずに済むのも、CMS導入の大きなメリットです。CMSを利用して自社内でサイト作成すれば、外注により発生するコストや工数を大きく削減できます。
初期費用はかかるものもありますが、結果的に自社で対応できるので運用コストは安くなります。また、無償公開のCMSを使えば、かかる費用はサーバー代のみです。
このように、CMSをうまく活用し効率よく運用していきましょう。
マルチデバイスに対応しやすい
必要なデータはデータベース上に一元管理し、閲覧デバイスに対応したテンプレートに適用されます。画像やテキストデータのセットを元に、
・PCからのアクセスにはPC用テンプレートで生成されたWEBページ
・スマホからのアクセスにはスマホ用テンプレートで生成されたWEBページ
というように、自動的に表示する仕組みを構築できるのが魅力です。
SEOに最適化したサイトが作れる
CMSで制作したウェブページは、検索エンジンに好まれるコードで構成されるのも大きなメリットです。
スマホ未対応のウェブサイトは検索エンジンの評価を下げますが、前述のようにCMSで作成したサイトはマルチデバイスに対応しやすいのです。
他にも、ページメニュー、パンくずリスト、サイトマップなど、内部リンクを自動的に整えて内部SEOを強化します。そのため、SEOに最適化されたサイト作りがしやすく、検索エンジンで上位を狙いやすいサイト運営が可能です。
CMSのデメリット
CMSを使った運用にはメリットの方が多いのですが、実は知っておくべき事項もあります。以下も必ず確認しておきましょう。
CMSのデメリット
CMSへの理解、操作に慣れる必要がある
CMSは直感的に使えるものではありますが、専門知識がないと使いづらいタイプもあります。経験がない方が使う場合は、まずはCMSの操作に慣れたり、どんな機能があるのかを理解する必要があります。機能を正しく理解することで、作業の効率化や魅力的なサイト作りに役立ちます。
クラウド型にはセキュリティ対策が必須
クラウド型はネット環境があればどこでも利用ができて便利な反面、IDやパスワードが漏れてしまうと不正アクセスをされてしまったり情報漏洩になることも…。
これらを防ぐために万全なセキュリティ対策が必要です。例えば、二段階認証やベーシック認証を設定をするなど、セキュリティ対策を必ず行いましょう。
既存機能やテンプレート以外のデザイン実装は依頼が必要
既存の機能やテンプレ以外のデザインを実装したい場合は、自分たちで対応することが難しいことも多いです。MS提供先の制作会社とうまく連携し、ターゲットに見られるサイト作りをしましょう。その場合は、別途費用が発生しますので、見積りと納期を必ず確認しましょう。
既存のWEBサイトがCMSを導入するには移行作業が必要
既存のWEBサイトに新たにCMSを導入する場合は、既存サイトから新たなサイトにコンテンツ(公開すみの記事や写真など)を移行する作業が必要になります。1から立ち上げる場合や、コンテンツや内容を一新するために移行の必要がない場合はかかりません。自分が運営するサイトの方向性に沿って、進めるようにしましょう。
このように、デメリットもありますがCMSを使うメリットはたくさんあります。CMSを使うメンバー全員で使い方をよく知り、デメリットにも対応できるようにしましょう。
CMS基本機能
公開ページの新規作成や編集
CMSではページを新規作成し、文章や画像・動画を自由に使って記事を作成することができます。
・見出しや小見出し、太字や色文字を自由に使える
・画像や動画を好きなところに挿入
・URLはテキストリンクやボタンリンクなど形式を選べる
など、担当者が簡単にサイト公開用の記事を作成したり、公開後の修正・編集が可能です。
サイトの管理
CMSは、ウェブサイト運営が円滑にできる様々な機能を備えています。
例)
・サイト管理画面
・ページ管理(公開や非公開)
・公開予約設定
・権限付与(サイト管理者/編集者/ライターなどで管理権限を分けることが可能)
・RSS(外部配信機能)
・お問合せフォーム
・EC
・会員登録
・サイトアクセス解析 など
CMSにもともと備わっている機能(基本機能)であれば、担当者で容易に対応が可能です。CMSはカスタマイズ可能なことが多いため、もし使用中のCMSに希望する機能がない場合でも、一度CMS制作会社に相談することをおすすめします。
CMSの種類と特徴
オープンソース型CMS
ソースコードが一般公開されているCMSです。誰でも自由に利用や修正、頒布が可能。小規模サイト向け。
代表的な製品は、圧倒的なシェアを誇るWordPressです。
<メリット>
・ライセンス費用がかからないためコストを抑えられる
・カスタマイズの自由度が高い
・プラグイン(拡張機能)が豊富
・バージョンアップのサイクルが早い
<デメリット>
・ベンダーからのサポートがない。
・脆弱性などを狙った攻撃によるセキュリティリスクがある
商用パッケージ型CMS
システムベンダーが商品として販売しているCMSのことです。中~大規模サイト向けです。オープンソース型に比べてコストはかかりますが、ベンダーによる保証があるので安全性は高くなります。
代表的な製品は、NOREN, HeartCore, Adobe Experience Manager などです。
<メリット>
・ベンダーによる公式なサポートがある
・不具合、脆弱性などに対する保証がある
<デメリット>
・オープンソースCMSに比べてコストがかかる(ライセンス費用など)
SaaS型CMS
SaaS(Software as a Service)型CMSとは、CMSベンダーが管理するサーバーにシステムやデータを保管し、インターネット経由で利用するCMSのことです。
代表的なCMSは、スマートメディア社が提供するClipkit®️(クリップキット)です。
<メリット>
・サーバーが用意されているので準備やソフトウェア設定が不要
・導入期間や導入コストがあまりかからない
・利用料が月額や従量課金制でランニングコストも安価に抑えられる
Clipkit®️(クリップキット)は、SEOに最適化したSaaS型CMSです。月額制でかかる費用が明確でアクセス解析なども充実していますので、マーケティング目的のオウンドメディア、ブランディング目的のコーポレートサイトに利用できます。シンプルな機能の低価格プランから、記事作成を任せるプランまで目的に応じて選択できるのも魅力です。
失敗しないCMSの選び方
現在、さまざまな種類のCMSが提供されています。ここでは、CMSを選ぶ時に気を付けるべきポイントを紹介します。
サイトの目的を明確にする
CMSを選び始める前に、サイトを立ち上げる目的を明確にしましょう。CMSはそれぞれ特徴があるので、サイトの目的やコンテンツ更新の頻度、重視する点など目標設定を適切に行い、自分たちに適したCMSを選びましょう。
例えば、更新頻度が高い場合はブログ機能が充実しているCMS、SNSでコンテンツの拡散を計画している場合はソーシャル連携機能が充実しているCMS、アクセスを伸ばしたいなら分析がしっかりとしているCMSなどがおすすめです。
使いやすさや運用しやすさを確認する
サイト作成後の運用と保守体制も考慮しておきましょう。運用担当者が複数いる場合は、WEBに関しての知識や経験の差が出るため、
・関わるメンバーたちがスキルの差がなく運用しやすい機能が備わっているのか
・実際にコンテンツを作成する場合は複雑ではないか
など、CMSの使いやすさや更新作業の手順が理解しやすいかなどを確認しましょう。
CMSベンダーのサポートやセキュリティを確認する
最後に、CMSベンダー側のサポート体制も確認しましょう。セキュリティ管理や障害に関して、どの程度サポートを受けられるかも大切です。
自社の機密情報や顧客情報を取り扱う場合は、特にセキュリティが重要です。セキュリティが強固か、対策が十分にとれる運用体制かなど、データベース連携も考慮してCMSを選定してください。
CMS導入事例
WordPress導入企業
CMSの中でも最も有名なWordPressを導入している企業をご紹介します。
クックパッド株式会社
ニューヨークタイムズ
オリエンタルランドグループ
株式会社カカクコム
そのほか、たくさんのCMSが開発され企業の導入されています。
CMSの選び方とあわせておさえたいSEOの基礎知識
サイトを運営していく上では、CMS選びも重要ですが、Googleなどの検索結果に上位表示させるためのSEO施策に関する基礎知識をつけておくことも大切です。
SEOとは
SEO (Search Engine Optimization) とは、検索エンジン最適化を意味します。検索エンジンに対してWebページの評価を上げ、上位表示を目指して最適化させることです。
SEOの重要性
EO強化で検索結果で上位表示されやすくなります。自社サイトを検索ページの上位表示させることで、自社のブランドや商品、サービスを探している人に自社サイトを見つけてもらいやすくなるのです。
SEO強化
SEOを強化するには、
①検索キーワードを選定しサイト内部のコンテンツを充実させる
②タイトルや内部リンクを最適化する
ことが必要です。適切な検索キーワードを選ぶためには、ユーザーはどのようなキーワードで検索するかを細かく調査し、ニーズをしっかり把握してから検索キーワードを選定しましょう。
次に、その検索キーワードを基にサイト内部のコンテンツを充実させていきましょう。
今の検索エンジンは
・コンテンツの新しさ(更新頻度)
・ページのユーザーエクスペリエンスの質(UX、知りたいことがすぐわかる)
など、Webサイトのコンテンツの質を重視します。また、タイトルや内部リンクを最適化することも重要です。検索キーワードをタイトルや見出しの前半に入れたり、クリックしやすい工夫も必要です。適切なタグを使用したり、内部リンクを設定したりしてサイトを最適化していきましょう。
CMSで戦略的にウェブサイトを運営しよう
CMSを導入することで、初めての方でも自社にあったウェブサイト作成や運用・管理ができます。さらに、内部リンクを強化できるためSEOに強い構造にできます。CMSを導入して戦略的にウェブサイトを運営し、ターゲットに刺さるサイト作りをしましょう。
Clipkit®(クリップキット)にご興味がある方は、ぜひお問合せください!