この記事を書いたのは…
小針亜葵子
PR/オウンドメディアプロデューサー編集プロダクションやアパレルブランド勤務を経てウェブメディア業界へ。月間500万PVの男性メディア編集長や有名ガールズファッションイベント公式メディアの事業責任者などを経て、現在はPR/コーポレートブランディングを担当。2016年より現在まで、メディア運営のノウハウを生かし、男性グルーミングブランドのオウンドメディアプロデューサーも担当している。
コンテンツの意味とは
コンテンツ(contents<複数形>)とは直訳すると「中身」を意味します。ウェブ戦略において使用される「コンテンツ」は、単に「中身」を表すだけでなく、サイト内に書かれた文章や画像、動画などを用いて表現した具体的な情報を指します。
コンテンツには、
・デジタルコンテンツ
・映像コンテンツ
・商業コンテンツ
・モバイルコンテンツ
・ウェブコンテンツ
などといった複合語があります。いわゆる「メディア」の中身の文字列・音・動画などのことを表し、コンテンツという言葉が、それらの内容である著作物を指すこともあります。
コンテンツの意味
広義では、インターネットやテレビ、紙などの媒体を通して発信される情報の中身のことをいい、ウェブサイトにおけるコンテンツの意味は、サイトやブログなどのメディアで発信される情報のことをいいます。ページ内にある文章や画像、動画、図やイラストなどの内容すべてがウェブコンテンツと言われます。
このように、使う業界やシーンによって「コンテンツ」の持つ意味合いが異なることもあるので、間違わないようにしましょう。
<例>
ウェブ業界:ブログの投稿記事、SNS投稿、動画、メルマガ など
エンタメ業界:音楽、映画、ゲーム、漫画、小説 など
コンテンツマーケティングの意味
ウェブ戦略における「コンテンツ」を語る上で、「コンテンツマーケティング」の説明は欠かせません。
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値あるコンテンツの制作や発信によって、潜在顧客との接点を創出し、購買を促してファン化させることを目的とするマーケティング手法のことです。
例えば、「シミ 原因」で検索するユーザーは、シミに悩んでいると分かります。そのユーザーがほしい情報は「シミの原因や対処法」と推測されます。さらに、「シミ対策におすすめの化粧品」を紹介するコンテンツがあれば、商品の購入に至る可能性もあるでしょう。
このように、ユーザーに向けて価値ある情報を提供し、最終的にそのページで紹介する商品を購入、さらにはその商品の顧客になってもらうマーケティング手法が「コンテンツマーケティング」です。
コンテンツの種類と内容
1990年代頃、インターネットや携帯電話などのIT技術普及をきっかけに、コンテンツという言葉が一般的に使用されるようになりました。その後、急速に情報のデジタル化が進み、コンテンツも種類ごとに区別されるようになっています。
コンテンツは、ウェブコンテンツ、モバイルコンテンツ、デジタルコンテンツの3つに区分されます。ここでは、それぞれのコンテンツの意味や具体的な内容を紹介します。
デジタルコンテンツ
デジタルコンテンツとは、デジタル化された映像や音声で構成されているコンテンツのことです。具体的には、テレビ番組や映画、音楽、アニメ、ゲーム、マンガなど、創造性や独創性が魅力の知的コンテンツを指します。テレビ番組に関しては、2011年の地上デジタル放送への移行に伴い、コンテンツと呼ばれるようになりました。
これらのコンテンツを商品として扱う業界は、「コンテンツ産業」や「コンテンツビジネス」とされています。
コンテンツ産業…一般に、映像(映画、アニメ、TV番組)、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム等の制作・流通を担う産業の総称
コンテンツビジネス…著作権を所有し、あなたの会社の独自コンテンツを作って売るビジネスのこと
例:動画、記事、音声、漫画、メルマガ、アプリ、ゲームといったものがあります。
ウェブコンテンツ
ウェブコンテンツとは、インターネット上のサイトや記事、サービスなどを指します。具体的には、ニュース(ニュースコンテンツ)やまとめサイト、TwitterなどのSNS(ソーシャルメディアコンテンツ)、AmazonなどのECサイト(セールスコンテンツ)などもウェブコンテンツの仲間です。
これらのコンテンツは、ユーザーが利用するプラットフォームに合わせて調整されて配信・拡散されます。例えば、Youtubeで配信する動画コンテンツを、ウェブサイトやSNS用に記事化したり編集することで、より多くのユーザーに届けることが可能です。
また、ウェブコンテンツが豊富な現代では、重複コンテンツ(他サイトの内容と重複したコピーコンテンツ)も増えています。しかし、Googleなどの検索エンジンは、こういったコピーコンテンツを悪質とみなし、ペナルティを与えることもあります。Googleは、オリジナルの良質なコンテンツを評価する傾向にあるのです。
モバイルコンテンツ
スマホやタブレットの普及が進んだ現代で、最も身近なのがモバイルコンテンツです。モバイルコンテンツとは、スマホやタブレットなどのモバイル端末で利用できるデジタルコンテンツのことをいいます。
具体的には、スマホゲームや音楽、地図アプリ、写真加工アプリ、グルメサイトなど、普段の生活で何気なく使用しているものがモバイルコンテンツにあたります。無料から有料まで、さまざまなコンテンツが存在します。
2021年モバイルコンテンツ関連市場の合計は、7兆7千億円まで拡大しています。(モバイルコンテンツ市場は、2兆8千億円、モバイルコマース市場は、4兆8千億円)
2021年モバイルコンテンツ関連市場の合計は、7兆7,061億円
モバイルコンテンツ市場は、2兆8,224億円
モバイルコマース市場は、4兆8,837億円
良質なコンテンツの特徴
ユーザーが求める“良質なコンテンツ”を提供すれば、検索エンジンで高く評価されるため、良質なコンテンツを制作し、より多くのユーザーに届ける工夫をすることは、コンテンツマーケティングやウェブサイト運営には欠かせません。
ここでは、良質なコンテンツにはどんな特徴があるのか、そのポイントをご紹介します。
ユーザーが求める情報が網羅されている
良質なコンテンツは、ユーザーにとって必要な情報が網羅されているのが特徴です。近年、SNSの広まりと共に、生活者が自ら情報を取捨選択して、必要な情報を元に商品を購入することができるようになりました。そのため、企業やブランドは生活者の立場で、魅力や価値を伝えるコンテンツを制作・発信することが求められています。
例えば、「メガネ 似合う」で検索しているユーザーは、「自分に似合うメガネを知りたい」というニーズを持っています。記事内に、似合うメガネのデザイン・色の選び方、具体的な商品の情報、逆に似合わないメガネなど、ユーザーにとって必要な情報が分かりやすく掲載されていれば、それは良質なコンテンツと呼べるでしょう。
反対に、情報不足で自社のメガネの紹介ばかりの記事はユーザーにとって有益とは言えないばかりか、商品の訴求ばかりを行う印象は、生活者にネガティブなイメージを与えてしまうことにも…。
良質なコンテンツを作るには
・知りたいこと
・共感できること
・ノウハウ
・興味があること
・意外な活用術
など、生活者と同じ目線に立ち、コンテンツの企画や戦略を立てましょう。
ユーザーに伝わるコンテンツ
ユーザーが読みやすいと感じることも、良質なコンテンツの特徴です。当たり前のように感じますが、細かな工夫なくして「読みやすさ」は実現しません。
例えば、同じ内容を伝える文章でも「読みやすい」「読みにくい」がありますよね。正しい日本語を使うのはもちろんのこと、端的で読みやすく仕上げる工夫も大切です。また、一番知りたい情報から読めるように目次を設置する、本文の内容が一目で分かる見出しをつける、視覚的に理解しやすいように文章を補足する画像を設置するなど、ユーザーに寄り添った構成や工夫により、読みやすい良質なコンテンツが完成します。
制作したコンテンツがウェブサイトの記事であれば読みやすさを、動画であれば伝わりやすさを、インスタグラムであれば魅力的な画像とフィード文など、コンテンツの種類や内容によってユーザーに伝わりやすい工夫を心がけましょう。
オリジナリティが重要
自社やブランドならではの情報やノウハウ、豆知識などが詰まった独自性のあるコンテンツは、ユーザーにとって良質なコンテンツとなりやすいです。すでにある情報や誰もが知っている情報にプラスして、独自の価値をつけることで、ユーザーの興味関心や共感を得ることにつながります。
現代では、意外性のある活用法やとっておきの情報などが共感を得られると、SNSで拡散されて一気に認知獲得となるケースも多いですよね。
自社に眠っている情報を活用したり担当者インタビューなどで、常に自社ならではのオリジナリティを追求していきましょう。
Googleに評価されるコンテンツの作り方
良質なコンテンツを作るためには、SEOを意識した記事作成が重要です。ここでは、Googleに評価されるコンテンツの作り方を紹介していきます。
キーワードを選定する
キーワードとは、コンテンツ制作で設定する単語やフレーズを指します。SEOにおいて、キーワード選定はとても重要です。この工程を飛ばして記事作成すると、記事のコンセプトがずれてしまうこともあります。
対策するキーワードは、中・小のキーワードで検索上位を複数取り、大のキーワードにつなげていくために、検索ボリュームのバランスを見ながら選定します。また、hタグや本文中など記事内に対策したいキーワードを散りばめ、Googleが設定したキーワードと関連性の高い記事として評価されるようにします。
ペルソナ設定をする
ペルソナ(persona)とは、マーケティングにおける架空のユーザー像や人物モデルのこと。ターゲットが年代や性別など抽象的な対象であるのに対し、ペルソナは年齢や性別、家族、居住地、収入、趣味などを設定した、より詳しい人物像です。
ペルソナを設定すれば、ユーザーニーズを掴みやすくなり、記事に統一感が出るため方向性が大きくずれることを防げます。キーワード設定をするときは、まずサイトごとのおおまかなターゲットを決め、さらに記事ごとにペルソナを設定し、そのユーザーがどんな情報を求めているかを分析して記事に落とし込みます。
詳しくはこちらの記事をチェック!
【初心者向け】ペルソナ設定とは?メリットや必要項目、設定方法を解説 - 株式会社スマートメディア
ペルソナ設定とは、商品やサービスを購入してくれる架空のユーザー像を作ること。ユーザーニーズを読み取るのに役立ち、マーケティングを有利に進められます。この記事では、ペルソナ設定のメリットや設定する項目、設定方法を解説します。
ユーザーニーズを満たす記事を作成する
良質なコンテンツを作るには、ユーザーが求めている情報である「顕在ニーズ」と、ユーザーの解決したい悩みや実現したい願望である「潜在ニーズ」の2つを盛り込んだ記事に仕上げることが必要です。弊社の作成の流れを例に挙げると、
①ペルソナ設定時に関連キーワードなどをリサーチ
②「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」の洗い出し
③そのユーザーニーズを元に構成書作成
④執筆・校正
⑤公開
という流れで記事を仕上げます。
■「ネックレス プレゼント」で検索するユーザー
<顕在ニーズ>
プレゼント用のネックレスを見つけたい
<潜在ニーズを満たす情報>
「プレゼント用のネックレス選びのコツ」「プレゼントのスマートな渡し方」
良質なコンテンツにするためには、このニーズを記事内で満たし、さらに「プレゼント用のネックレス選びのコツ」「プレゼントのスマートな渡し方」など、潜在ニーズを満たす情報を落とし込みます。
また、わかりすい画像を挿入したり、テキスト情報だけでなく図やグラフにする、関連情報の記事リンクやURLを掲載するなど、検索するユーザーの立場になって、必要な情報やあると嬉しい補足情報を提示しましょう。そうすると、ユーザーにとってより満足度の高い記事となります。
スマートメディアのサービス「Ownd」
コンテンツの意味を理解してウェブサイトを作ろう
ウェブ上で使用されるコンテンツの意味は情報の中身であり、その質が重視されます。良質なコンテンツを作るには、ユーザーニーズを掴んだ記事を作成しましょう。オウンドメディア運営やウェブサイト制作などを行う際は、ぜひスマートメディアのサービスをご検討いただければ幸いです。