この記事を書いたのは…
小針亜葵子
PR/オウンドメディアプロデューサー編集プロダクションやアパレルブランド勤務を経てウェブメディア業界へ。月間500万PVの男性メディア編集長や有名ガールズファッションイベント公式メディアの事業責任者などを経て、現在はPR/コーポレートブランディングを担当。2016年より現在まで、メディア運営のノウハウを生かし、男性グルーミングブランドのオウンドメディアプロデューサーも担当している。
ECサイトの概要と種類
作り方を解説する前に、まずはECサイトとはどんなものなのかと作り方の種類について知っておきましょう。それぞれの特長を踏まえた上で、企業が選ぶべきECサイトとは何なのかについて解説します。
ECサイトとは
ECサイトのECとは、イーコマース(電子商取引)のことです。イーコマースとは、簡単に言うとインターネット上で商品やサービスの売買ができるサイトを指します。実際の店舗のように営業時間や休日がないため、いつでもどこでも誰でも買い物が可能なのが魅力です。
ECサイトの種類
自社に合わせたサイトを0から構築ができるフルスクラッチ方式や、コスト面でメリットの大きい無料のソースコードを使って構築するオープンソース方式など、ECサイトの作り方にはいくつか種類があります。この他に多いのは、ITベンダーがECサイト用に開発したパッケージ商品を利用するパッケージ方式、手間をかけずに手軽にECサイトを構築できるSaaS方式などです。
これらのECサイトの種類については、次の章で作り方やメリット、デメリットについて詳しく解説します。
法人と個人で選ぶべきECサイトの種類は異なる
どんな作り方でECサイトの構築をすべきかは、運営が個人なのか企業なのかによって異なります。個人であれば、無料で利用できる方法を選んでも良いでしょう。
企業であれば、予算がある程度確保できることも多いため、有料サービスがおすすめです。企業でも無料で利用する方法もありますが、将来的にカスタマイズしやすい有料サービスを利用した作り方のほうが汎用性は高くなります。
ECサイトの作り方
ECサイトには、以下のように4つの作り方があります。
①フルスクラッチ方式
②オープンソース方式
③パッケージ方式
④SaaS方式
①フルスクラッチ方式
ここからはECサイトの作り方の種類ごとに、概要やメリット・デメリットを解説します。まずは、フルスクラッチ方式のECサイトについて見ていきましょう。
フルスクラッチ方式とは
ソフトウェアやシステムを0からプログラミングしてECサイトを構築する方法を、フルスクラッチ方式と呼びます。専門のITベンダーに、完全オリジナルでECサイトを制作してもらう方法です。大企業で採用されることが多い方式です。
フルスクラッチ方式のメリット・デメリット
フルスクラッチ方式のメリットとしては、自社の業務フローに合わせてサイトを制作できることと、他システムとの連携やカスタマイズも自由にできることです。デメリットは、開発に莫大な時間と費用がかかること。数千万円かかることも珍しくなく、資本力のある大企業に選択されることが多いです。
②オープンソース方式
次に、社内にエンジニアがいる企業におすすめのECサイト構築方がオープンソース方式です。その特徴やメリット・デメリットを解説します。
オープンソース方式とは
オープンソース方式とは、無料で公開されているソースコードを使ってオリジナルのECサイトを作る方法です。社内にプログラミング技術者がいる企業にとってはメリットが大きい作り方なので、構築方法として検討してみるのもおすすめです。
オープンソース方式のメリット・デメリット
オープンソース方式を採用する最大のメリットは、ライセンス費用が不要であるためECサイト立ち上げのコストを抑えられる点です。さらに、自社の他システムとの連携やカスタマイズが自由に行えるのも魅力です。
デメリットは、ソースコードが無料であるためサポートデスクがなく、技術的な問題が起こっても自己解決しなくてはならない点です。また、カスタマイズしてしまうとシステムのバージョンアップができない場合があり、セキュリティ面で不安が残ります。
ECサイトの作り方③ パッケージ方式
ECサイトの機能が網羅されたパッケージ方式でサイト構築するのも選択肢のひとつです。ここでは、パッケージ型のECサイト構築法について解説します。
パッケージ方式とは
パッケージ方式とは、ECサイトに必要な決済システムや顧客管理機能などの基本機能が、1つのパッケージになったものを導入してECサイトを構築する方式です。パッケージ方式は、基本機能をベースにカスタマイズも可能ですが、追加費用が発生します。
パッケージ方式のメリット・デメリット
パッケージ方式のECサイト構築は、もともと備わっている基本機能を元にして、さまざまなカスタマイズが可能な点が挙げられます。ECサイトの構築はコストがかかるものですが、パッケージ方式の場合はベースがあるため、費用やコストをかけずに本格的なECサイトが構築できる点はメリットといえます。また、パッケージ開発ベンダーに、導入から運用まで一任できるので、専門知識が不要である点もメリットに挙げられます。
一方、導入費用が高いのはデメリットといえます。パッケージ方式の場合、システム以外にサーバーやインフラも準備しなくてはならないため、導入費用として数千万円かかることもあります。
そして、維持費用も高めになることが多いです。保守費とは別にシステムが古くなった場合にはバージョンアップも必要で、その度に大きな費用が必要となります。
ECサイトの作り方④ SaaS方式
ECサイト業界で近年注目を集めているのが、SaaS方式です。ITスキルをあまり持っていなくても、手軽にECサイトを始められるので、その手軽さが人気となっています。ここでは、SaaS方式のECサイト構築法について解説します。
SaaS方式とは
SaaS方式とは、ASPやクラウド型とも呼ばれ、インターネット上のサーバーにECサイトを構築する方法です。
SaaS方式には、音楽や動画も販売可能なECサイトプラットフォームのShopifyや、個人向けECサイトで人気の高いBASEなどがあります。
SaaS方式のメリット・デメリット
SaaS方式でECサイトを構築するメリットは、構築の手間がかからないという点と、専用サーバーなど機器が不要であるため初期費用が安い点です。
その反面、拡張性が低いというデメリットがあります。また、手数料が売上に比例して高くなる場合もあり、ビジネスが大規模になるとコスト面でデメリットが生じる可能性があります。
ECサイト構築の手順
ECサイトを構築する手順を具体的に説明します。以下は一般的な手順ですが、プラットフォームやツールの選択によって細部が異なる場合がありますので、使用するタイプの手順に沿った構築を行いましょう。
ECサイトの目的を決める
①競合・市場分析/商品の準備
まずは、立ち上げるECサイトの目的、提供する商品やサービス、ターゲット市場を明確にしましょう。競合や参考になるサイトを分析し、ECサイト立ち上げの準備をします。
②ドメイン取得
次にドメイン名を選び取得をしましょう。
③ホスティングプラン
ホスティングプランを選択し、ドメインと関連付けます。
サービスの選定
ECサイトを構築するためのプラットフォームを選択します。例えば、Shopify、WooCommerce、Magentoなどがあります。
すべてにおいて利用するプラットフォームの選定が必要となります。選定する際は、それぞれの特性やコスト、
機能充実度、セキュリティ、運営後のサポート体制などについてを比較検討し、目的を達成できる最適なサービスを選びましょう。
テンプレートの選択とカスタマイズ
選んだプラットフォームには、カスタマイズ可能なテンプレートが複数用意されていることが多いです。テンプレートを選び、ブランドに合ったデザインにカスタマイズします。
もしイメージに合うテンプレートがない場合は、自分でデザイナーに依頼するなどの方法もあります。その際は、サイトのトンマナに合わせたデザインにする必要があります。独自のデザインを実装する場合は、コーディング作業も発生するので、HTMLやCSSの知識があるエンジニアなどに依頼しましょう。
初めての方は、サイトのデザイン決めやコーディングなどでつまづくことも多いので、プロに外注することも考えておくと良いかもしれせまん。
商品登録とカテゴリ設定
商品情報(商品名、説明、価格、画像など)を入力し、カテゴリやタグを設定します。
特に、ECサイトでは商品写真が購入を大きく左右します。しっかりと全体がわかる写真に加え、別カットや細かい部分がアップされた画像、大きさがわかる画像、色違いなど複数登録がおすすめです。説明はわかりやすく簡潔にまとめましょう。
決済ゲートウェイの設定
顧客が支払いを行うための決済ゲートウェイ(クレジットカード、オンライン決済サービスなど)を設定します。支払い方法が多いほど顧客にとってはメリットに感じます。
在庫管理の設定
商品の在庫管理を設定し、在庫がなくなった際の挙動や通知を設定します。
顧客アカウントとセキュリティ
顧客アカウントの登録・ログイン機能を設定します。セキュリティ対策として、SSL証明書を導入して安全な通信を確保します。
ショッピングカートとチェックアウト
顧客が商品をカートに追加し、チェックアウトするための機能を設定します。送料や税金などの設定も行います。
レビューと評価機能
顧客が商品に対してレビューや評価を投稿できる機能を実装します。近年、口コミは購入を検討している人にとってマストであり、SNSで検索してレビューを確認後に購入する、という流れがほとんどです。自社ECサイトにも、シェアやレビュー機能を備えることで、より購入の後押しになる可能性があります。
SEO対策
サイトの検索エンジン最適化(SEO)を行い、検索結果での表示を向上させるための設定を行います。
・販売終了したページは速やかに対応する
・重複ページに気を付ける
・ディレクトリ構造を整理する
・パンくずリストを整理する
・サイトマップを登録する
・ページ表示速度の最適化 など
モバイル対応
ECサイトはモバイルデバイスからもアクセスされるため、モバイルフレンドリーなデザインと使いやすさを確保します。Googleは2015年から、モバイルフレンドリーサイトを検索順位のランキング要素のひとつとして評価しています。
モバイルフレンドリーテスト
テストとデバッグ
サイト全体をテストし、バグや問題を修正します。購買プロセスや各種機能の動作確認を行います。
公開と運用
サイトが準備できたらいよいよECサイトを公開します。その後も定期的な更新、商品の追加、顧客対応などを行いながらサイトを運用します。
マーケティングと宣伝
サイトを知ってもらうために、ソーシャルメディア、広告、SEO対策などのマーケティング活動を行います。
顧客対応と改善
顧客からのフィードバックを受けて改善を行い、顧客満足度を高める努力を続けます。
このように、ECサイトの構築には多くのステップが含まれますが、プラットフォームの選択や技術の進化により、比較的簡単に始めることができるようになっています。目的に合ったプラットフォームを選択し、積極的に商品をユーザーに発信していきましょう。
ECサイトは作り方だけでなく運用面も考慮すべき
ECサイトを初めて立ち上げる際に、構築の手間や費用面にばかり着目しがちですが、運用のしやすさについても考慮する必要があります。
ここではECサイト運用にあたって、考慮しておくべき点を解説します。
ランニングコストがかかる
ECサイトの構築にはさまざまな方法がありますが、それらにはランニングコストが発生します。構築に必要な初期費用だけでなく、運用に必要な費用があることをおさえておきましょう。
<ECサイトの運営に必要なランニングコスト例>
●機能まわり
・ドメイン代(年間500〜6,000円)
・サーバー維持費(年間500〜10,000円)※サイト規模による
・独自SSLサーバ証明書(年間10,000〜90,000円)
・決済代行会社(売上の3〜5%前後)
・カートシステム利用料(月額3,000〜10万円)
●管理まわり
配送料・梱包材費(年間3,600円〜24,000円)
人件費:1人あがり月額10万円〜30万円※依頼内容による
EC運営(外注):月額5万〜40万円前後
毎月のシステム保守費を始め、機器やインフラを自社で準備するならそのメンテナンス費も必要です。SaaS型であれば、月々のシステム利用料がかかります。コストを考える際には、初期費用と併せてランニングコストも積算しておきましょう。
業務は多岐にわたる
ECサイトの運用を自社で行う場合、その業務は多岐にわたります。商品管理からサイトデザインのカスタマイズ、売上管理、顧客管理、アクセス解析、マーケティングなどさまざまなノウハウが必要です。これらの業務をどこまで自社で行うかしっかり検討してから、どんな方法でECサイトを構築するのか考えるべきでしょう。
簡単に美しいECサイトを構築するなら「Clipkit® for EC」
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、動きが大きくなっているEC市場。ECサイトの運用はもちろん、オウンドメディアやSNSも駆使して、ブランドイメージを構築したり、他社との差別化を図ったりすることが常識になりつつあります。そんな時は、ストーリーでモノを売るためのEC事業者向けオウンドメディア構築ツール「Clipkit® for EC」が便利です。ここでは、Clipkit® for ECについて詳しく紹介します。
簡単にECサイトと連動したオウンドメディアを構築できる
「Clipkit® for EC」は、「Clipkit®」に、EC事業者に必要な機能を搭載したツールです。Clipkit®は、専門知識がなくても簡単にECサイトを立ち上げることができるサービスとして、累計750サイトの導入実績を持っています。Clipkit® for ECは、さらにShopifyやBASEなどで構築したECサイトとオウンドメディアを連携させることができるサービスです。
ストーリーでモノが売れるオウンドメディアづくり
Clipkit® for ECでは、「見つかる・伝わる・買われる」をキーワードに、ストーリーでモノが売れるオウンドメディアづくりを支援しています。
まず広告タグの埋め込み機能やSEO分析ツールなどのコンテンツを通して、顧客が「見つかる」。そして、商品のストーリーを伝えるために必要な編集アイテムがそろっているため、ターゲットへ確実にストーリーが「伝わる」。さらに、ShopifyやBASEなどで構築したECサイトとオウンドメディアを連携して、「買われる」サイトを目指します。
Clipkit® for ECの特長① Shopifyのカートを簡単に設置できる
Shopifyで登録した商品のカートボタン、詳細、価格、在庫有無を簡単に設置できます。Shopifyで変更した内容は自動的に反映されるので、余計な手間を省けます。
Clipkit® for ECの特長② 専門知識がなくても記事やLPを簡単に作れる
記事やLPを簡単に作れます。視覚的にわかりやすい操作画面で初めて触るご担当者でもすぐに慣れることができます。
Clipkit® for ECの特長③ テンプレートから選べる
2種類のテンプレートを用意しています。
すでにお持ちの画像と文章を用意するだけで簡単にサイトを公開することができます。もちろん、オリジナルサイトを作ることも可能です。Shopifyで変更した内容は自動的に反映されるので、余計な手間を省けます。
Clipkit® for ECの特長④ 安心の日本語サポート
Clipkit®︎ for ECは国産のサービスです。Shopifyでのトラブルが発生した際、弊社で原因を調査し迅速に対応することが可能です。
ECサイトを構築するなら上手に作り方を選択しよう
店舗型より低コストで自社商品を販売できるECサイト。ECサイトの作り方にはさまざまな方法がありますが、それぞれの特長を踏まえて、自社にぴったりな作り方を選択しましょう。