今やBtoB、BtoC、業界にかかわらず多くの企業が実施しているオウンドメディア。
運用する目的はリード獲得、ブランディング、EC集客など様々ありますが、実は「始めてみたはいいものの、読者が定着しないことから費用対効果が見えず、途中でやめてしまった」という苦い経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
広告運用とちがい、成果が出るまに長い時間を要するオウンドメディア。
長く続けてこそ意味があります。
そこで今回は、オウンドメディア運用を長く運用し続けるために必要な3つの要素を解説します。
その1 運用目的を明確にする
オウンドメディアの最終ゴールには複数の形が存在します。
何が事業の課題で、その課題を解決するためにどんなゴールを設定すべきなのかをまずは社内で共通認識するところから始めましょう。
上記は一例ですが、他にもブランディングや、広告収益化などが考えられます。
まずは何のためにメディアを作っていくのか、目的を設定しましょう。
そうすると、自ずとどんなコンテンツを掲載すればいいのかを設計することが出来ます。
目的の整理には、まず事業全体を見て課題の洗い出しから行いましょう。
事業の理想像から現状を比較し、足りないものはないか?という順番で考えてみると分かりやすいでしょう。
具体的に埋めると、下記のようになります。
売上の目標が10億で実績が8億だった場合、問題がどこにあったかを書き出します。
そうすると、リード数が足りなかったこと、商談数が足りなかったこと、解約率が高かったこと、アップセルが出来なかったことなど様々な要因があることが分かります。
では、オウンドメディアがどの課題を解決できるのか?と紐解いてみると良いでしょう。
そうすることで、やっとオウンドメディア運用の目的が定まり、では具体的にどんな数値目標を設定するのか、が見えてきます。
例えば、オウンドメディアでリードを獲得したいというKGIを立てた場合、それを達成するには
・オウンドメディアの認知を向上させる=検索上位獲得KW数を増やす
・記事閲覧数を増やす=サイト内回遊数を上げる
・問い合わせフォーム遷移率を上げる=CTAの改善
など、様々なKPIが考えられます。
皆様が運用しているオウンドメディは、どんな課題があるのか、一度立ち返ってみましょう。
その2 ゴール達成方針を定める
目標を設定した後は、ターゲットにオウンドメディアを訪問してもらうための集客戦略を決めます。
集客方法は大きく分けて3つ考えられますので、解説していきます。
SEO
SEO記事とは、検索結果上位にオウンドメディアのページを表示させてユーザーとの接点を安定的に創出することを目的とした記事(コンテンツ)を指します。
SEO記事の特長は、一度検索結果上位にランクインすると継続的に閲覧数を獲得できることです。
さらに、戦略的に記事を制作すればするほど効果が蓄積され、色々なキーワードで検索結果上位に掲載される可能性が高まることです。
SNS
SEOは検索したユーザーにしか記事を表示させることが出来ませんが、SNSは拡散性のある集客方法です。
アカウントのフォロワーに記事をお知らせするだけでなく、時にはおすすめ欄に乗ると普段は接触できないユーザーにも情報を届けることが出来ます。
SEO記事は、生活者の疑問や悩みを解決するための辞書的な記事になるケースが多いですが、SNSと相性がいいのはさまざまな切り口で企画された記事。
時事性のある切り口にこだわったり、話題の人に出演してもらったりすることで、SNSで話題化(バズ化)することも狙えるでしょう。
Web広告
一般的なSEO記事を広告配信してもセッション数は増加しますが、費用対効果が懐疑的なので、CVRが高い記事(比較記事など)やタレントタイアップ記事、キャンペーン記事などはWeb広告を利用して短期的に集客しても良いでしょう。
媒体は検索広告、各種SNS広告、ディスプレイ広告などがあげられますが、コンテンツと配信先媒体のユーザー属性を照らし合わせて検討しましょう。
▼集客戦略に関して、詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです
オウンドメディアを成功に導く3つの集客戦略とは?SEO・SNS・CMSの運用法を解説 - 株式会社ベクトル メディア事業部
この記事では、これまでに多数のオウンドメディア運営を支援してきたスマートメディアが提唱する、オウンドメディアの成功に必要不可欠な集客戦略を、事例を交えてご紹介します。
その3 自分たちの価値観を言語化する
情報があふれているこのご時世、ユーザーの印象に残るためには自社にしかない価値をどのように言語化するか、がとても大切です。
さて、皆さんが運営しているメディアは「自分たちは、何を最も大切にしているのか」が伝わるメディアになっていますでしょうか?
もちろん、SEO対策用の記事でユーザーの知りたいことをシンプルに解決することも大切ですが、流入したユーザーを自社のファンにするには、メディア全体で何を伝えるかというコンセプトを設定することも必要です。
他社のコンセプトの事例を見てみましょう。
北欧、暮らしの道具店
私たちは、北欧のライフスタイルに魅かれ、そのスタイルの本質を取り入れ、自分たちらしく表現することをコンセプトとした、ネットショップおよびECメディアを運営する「北欧、暮らしの道具店」です。
引用元: ご利用ガイド - 北欧、暮らしの道具店
月間1,500万PV、ユニークユーザー170万人を誇る、たくさんのユーザーに愛され続けているサイトです。
オウンドメディアとEC機能がうまく融合されたサイトとしてマーケターの間ではよく話題に上がります。
となりのカインズさん
"ホームセンターを遊び倒すメディア"
くらしの99%は未開拓!
となりのカインズさんは、くらし全体をDIYと考え、
毎日の生活を豊かにするための「WOW!」や
「アイディア」をおもしろく発信します。
30年以上にわたって、くらしの隅々まで見つめてきた
ホームセンター・カインズの小宇宙。
余計なおせっかいかもしれませんが、
あなたのくらしづくりが、
小さな“挑戦”の一歩を踏み出すキッカケになれば幸いです。
こちらも創刊後1年で月間400万PVを達成した大規模メディア。
「店舗スタッフがこれまで30年以上培ってきた専門知識が店舗以外で生かせていない」という課題を解決すべく立ち上げたようです。
商品の開発エピソードや、検証系記事という一般的な内容から、社員のモチベーションアップやインナーブランディングのために「自分の趣味などのプライベートの一面(B面)を積極的に出していく」コンテンツまで、幅広く掲載しているのが特徴です。
長く運用するためには社内理解を得ることも大切
この記事では長く運用するために設定すべきことを3つ解説しました。
上記の3つを設定したら終わり、ではなく、実はもう一つ大事なことがあります。
それは、「社内理解を得ること」
オウンドメディアはすぐに効果が出るものではなく、時には目標数値に達しないこともあるかもしれません。
そうすると「何のためにメディアを運用しているのか」とすぐ打ち切りになってしまうこともしばしば。
そうならないように、何のために運用しているのか、長期的に見てどんな状態を目指したいのか、を日々社内に共有しておくことも大切です。