成功するオウンドメディア運用の理想的な体制とは?

オウンドメディアの運用には記事を作成してアップするまでに、様々な業務が発生します。適切なスキルセットを持った人材がいないと、「記事の質の担保ができない」や「トラブルが発生してしまった場合に誰も対応できない」という事態が発生してしまいます。
この記事ではオウンドメディア運用においての理想的な体制について解説します。

成功するオウンドメディア運用の理想的な体制とは?

オウンドメディア運用において発生する業務と必要なスキルセット

オウンドメディアの運用には多岐に渡る業務があり、その業務を執行するために必要なスキルも様々です。
大きく3つの業務に分けて解説します。

オウンドメディア運用で発生する業務

定常業務

主に日々の記事ライティングにかかわる業務です。
コンテンツ企画作成、取材、記事の校閲や校正から公開、PVなどの数値確認を担当します。

ライターには得意分野が様々ですが、サイト集客のためのSEOの知識、伝わりやすい文章を書くライティングスキル、場合によっては商材に関する専門知識を必要とする場合があります。

また、時には取材を行う場合もありますので、アポの取得から現場での進行管理、インタビュアーとしてのコミュニケーション能力も必要とされます。

戦略業務

主にサイトの数値分析をもとに戦略を立てる業務です。
PVなどのKPIの進捗管理から、コンテンツ計画立案、予算管理を行います。

オウンドメディア全体の管理をし、事業にどのように貢献していくのかを数値をもとに戦略を立てて現場に落とし込んでいく必要があるので、高い分析力と関係者を巻き込んでいく統制力が求められます。

変則業務

主にサイトの改修や問い合わせ対応を行う業務です。
サイトの成長につれて、カテゴリーを変更したい、導線を改善したい、バナーデザインを修正したい、などの改修が発生します。
その場合に柔軟に対応できるようなスキルを持ったエンジニアやWebデザイナーが必要です。

また、メディア経由で問い合わせが発生した場合、営業チームに引き継ぐ必要があるので、すぐに対応できるように連携しておくことも忘れずに。

【10名以上が理想!】持続可能なオウンドメディア運用体制とは

前段で解説した3つの業務を考慮し、役割ごとに分業するには下記のような体制が理想です。
実際に弊社でサポートさせていただいている案件では、10名以上体制で編集部を構築し、一気通貫で運営にあたっております。

オウンドメディア運用体制図

「オウンドメディア運用のためにこれだけの人員が必要なのか…」と驚く方もいるかもしれません。
しかし、質のいい記事を書くには多くの視点でチェックをし、書かれた内容が本当に正しいのか、誰かを傷つけてしまう表現ではないか、SEO対策のKWは正しいか、メディア全体のトンマナが統一されているかなどを確認する必要があります。

サイト成長のための要であるライティング業務について、弊社のSEO記事制作の流れをもとに詳しく解説していきます。

SEOの記事を書くにはざっくりと

✓KW設定
✓タイトル作成
✓記事構成書作成
✓初稿作成
✓記事公開

という流れが一般的です。

記事作成の流れ

※Wディレクター=ライティングディレクター

誰かひとりだけが一つのステップを担うのではなく、必ずディレクターの確認の目が入ります。

このように記事の質を担保するにはそれなりの工数と時間を必要としますので、仮に月10記事制作する場合はKW設定から記事の公開まで約3か月時間を要します。
そのタイムラグを考慮してKWの設定をするにはSEOの知識が求められることでしょう。

人員不足がもたらすよくある失敗

まだメディア運用を始めたばかりだから、人員も工数もかけられない、という状況の方も多いのではないでしょうか。

しかし、そのままではなかなか目標が達成できず、運用自体がストップとなってしまう可能性があります。
ここでは、人員不足がもたらすよくある失敗を解説します。

コンテンツの更新頻度が低く、サイトが成長しない

オウンドメディアを運営する際、サイトの更新頻度が低いとユーザーの興味を惹き続けることが難しくなります。定期的に新しいコンテンツを追加することで、訪問者に対して新鮮な情報を提供することができるので、リピーター(ファン)の獲得やブランディングにも効果を発揮します。

また、更新頻度の高いサイトは検索エンジンからも評価されるため、SEO対策にもつながります。効果的なコンテンツの更新スケジュールを立て、運用体制を整えましょう。

月10本の更新が理想!
SEOや企画記事含め、月10本以上の更新が理想的なコンテンツ数です。体制によりますが、オウンドメディア運営は、少ない更新頻度ではなかなか効果を実感できにくい傾向にあります。

PDCAが回らず、コンテンツのアップが目的になってしまう

オウンドメディアの効果を最大化するには、定期的な分析と改善のサイクル(PDCA)が必要です。
しかし、このサイクルが回らない場合、失敗に気づかず同じ過ちを繰り返すことになります。

分析・改善のサイクルを回すためには、サイト分析ツールやアクセス解析やユーザー行動を把握し、データを基に改善策を立案します。また、社内で情報共有し、全員が分析・改善に関与できる環境を整えることが重要です。このサイクルを継続することで、オウンドメディア戦略の成果は確実に向上するでしょう。

適切なツールで分析改善を!
PDCAを回すためには、何より適切な分析と改善策の実行が必要です。運営が初めての方は自力で分析するのではなく、適切なツールやプロにコンサルティングを依頼することがおすすめです。

▼オウンドメディア失敗の理由と成功するポイントについて詳しく知りたい方はこちら!

オウンドメディア運用の体制を整えるための3つの方法

運用体制を整えるためには、「すべて丸っと代理店にお任せする」「一部を代理店に依頼する」「すべて自社で行う」という3つのパターンが考えられます。
それぞれのパターンのメリットとデメリットをご紹介します。

すべて丸っと代理店にお任せする

記事制作からSEO集客、サイト分析、サイト改修まですべて代理店に依頼するパターンです。
代理店にも得意分野が違うので、しっかりと目的を伝えて実績をもとに選定をしましょう。

メリット
記事の質や量が担保できる
サイト集客および事業貢献のための施策を提案してくれる
自社のリソースを確保できる
デメリット コストがかかる
担当者や会社によって質が異なる

弊社は10名以上の貴社専属の編集部を立ち上げ、ユーザーからもGoogleからも信頼される質のいいメディアを作るのが得意です。
母体であるPRの視点から、デジタルマーケティングの知識を取り入れ、オウンドメディアを事業の貢献につなげます。

一部を代理店に依頼する

「プロデューサーは自社が担い、ライターのみ外注する」
「ライターの役割は自社が担い、SEOのみコンサルをお願いする」など様々なパターンが考えられます。

おすすめはプロデューサーやディレクター業務を自社で抱え、そのほかを外注すること。
メディアの方針やKPIなどは事業と大きくかかわってきますので、できるかぎり自社内でコントロールできるようにしましょう。

メリット ある程度自社に知見を深めつつ運用ができる
丸投げよりはコストを抑えることができる
デメリット 代理店と自社の統制のためのコミュニケーションコストがかかる

すべて自社内で行う

プロデューサー業務、SEO対策を含むライティング、すべてを自社内で完結するパターンです。
業界や自社商品の特徴、そして伝えたい思いを一番理解している立場の方がすべて担当することにより、オリジナリティのあるメディアを作ることができるでしょう。

しかし、一から採用をする場合、合計で300万以上もの人件費がかかってしまうこともありますので、注意が必要です。

メリット 全体感を見ながら運用ができるので状況を把握しやすい
(場合によっては)丸投げよりはコストを抑えることができる
自社の状況によって急な変更などの融通が利く
デメリット 立ち上げから運用までコストと時間がかかる
リソースの担保が難しい
専門知識がないと成果が見えづらい

オウンドメディアで成功するための体制づくりを

オウンドメディア運用成功への道は、まずは安定して質のいい記事をアップできる体制を整えること。

自社の状況や予算を鑑みて、適切な方法でリソースを確保しましょう。

この記事を書いたのは…

竹内 香織}

竹内 香織

マーケティング統括

マーケティング支援会社にて、オウンドメディア制作やSNS運用、コミュニティ運営、Webマーケティングスクールの立ち上げ/サービス開発に従事。
その後スマートメディア(後に現株式会社ベクトルに統合)に入社し、マーケティング統括としてLP制作からWeb広告運用、MA統括、セミナー運用などを行う。

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